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ヘッドライトが黄ばむ3つの原因|ガラスからポリカーボネートへの歴史

黄ばんでくすんだヘッドライト

ヘッドライトは、
なぜ黄ばむのか

  • 今のヘッドライトはガラスではなく樹脂(ポリカーボネート)製
  • 黄ばむ原因は紫外線・キズ・熱の3つ。約9割は紫外線
  • 放っておくと夜の見え方・車検・見た目に影響します

ヘッドライトの黄ばみは、今の車では避けて通れない問題です。「車検で交換が必要と言われた」「ディーラーに相談したら交換しかないと言われた」「磨いてもらったのに取り切れなかった」——そんなお悩みをよくお聞きします。そもそも、なぜヘッドライトは黄ばむのでしょうか。ヘッドライトの素材の歴史からひも解いていきます。

ヘッドライトはガラスから、樹脂(ポリカーボネート)へ

昔の車のヘッドライトはガラス製でした。ガラスは紫外線で黄ばむことがありません。黄ばみが問題になったのは、ヘッドライトの素材が樹脂の一種「ポリカーボネート」に変わってからです。

時代ヘッドライトの移り変わり
1907年〜日本初のガソリン自動車が登場。当時のヘッドライトはガラス製で、レンズと電球が一体の丸形でした
〜1966年アメリカの規制の影響を受け、日本でも丸形のヘッドライトだけでした(初代カローラ、スバル360、ハコスカなどの時代)
1967年〜四角いヘッドライトや、格納式の「リトラクタブルヘッドライト」が登場。レンズはまだガラス製です
1980年代ポリカーボネート製のヘッドライトが登場(1984年の初代トヨタ・ソアラが世界初といわれています)
1990年代〜ポリカーボネート製が主流に。今ではほぼすべての乗用車がポリカーボネート製です

つまり、1990年ごろより前の車(いわゆる旧車)にはガラス製のヘッドライトが多く、それ以降の車はほとんどが黄ばむ可能性のあるポリカーボネート製ということになります。

ポリカーボネート製ヘッドライトのメリットとデメリット

3つのメリット

  • ガラスに比べて、とても割れにくい(強度は同じ厚みのガラスの約200倍)
  • ガラスに比べて、とても軽い
  • 加工しやすく、デザインの自由度が高い

3つのデメリット

  • 表面が硬くないため、キズが付きやすい
  • アルカリ性の薬品に弱い
  • 劣化すると黄ばむ(黄変する)

ポリカーボネートは新幹線の窓などにも使われるほど丈夫で、事故のときもガラスのように粉々になりにくい素材です。形の自由度が上がったことで、今のようなデザイン性の高いヘッドライトが生まれました。その一方で、「劣化すると黄ばむ」という弱点を抱えることになったのです。逆にいえば、劣化の原因を防げば、黄ばみも防げるということです。

ヘッドライトが黄ばむ3つの原因

1紫外線による劣化(原因の約9割)

ポリカーボネートは紫外線を通しにくい一方で、紫外線を吸収して劣化が進みます。黄ばみの原因の約9割はこの紫外線によるものです。

ときどき、片側のヘッドライトだけが黄ばんでいる車を見かけませんか? 事故などで片側だけ新品に交換したケースもありますが、多くは駐車場所で片側にだけ日が当たっていることが原因です。

2細かいキズの積み重ね

ポリカーボネートは衝撃には強いものの、表面の硬さは鉛筆でいうとHB程度しかありません。走行中の砂ぼこりや、洗車のときのこすれで、少しずつ細かいキズが増えていきます。

3熱による劣化(加水分解)

ポリカーボネートは燃えにくい素材ですが、高温のときに水分が加わると分解される「加水分解」という現象が起こります。ヘッドライトの内側が曇る原因はこれと考えられています。HIDやLEDのバルブは実はハロゲンより熱を持ちやすく、放熱がうまくできない安価なバルブを使っていると起こることがあります。

内側の曇りは、外から磨いても取れません

黄ばみ・くすみの多くはレンズの外側で起きていて、研磨で取り除けます。ただし、熱などによる内側の曇りや白濁は、外から磨いても取れません。得洗隊では作業前に必ず確認し、取れない場合はその時点でお伝えします。

黄ばみを放っておくとどうなる?

夜間の運転が危なくなる

ロービームで照らせるのは、正常な状態でも約40m先までです。時速50kmで走っていて危険に気づき、止まるまでの距離は、条件がよくても約32mといわれています。ところが、疲れなどで反応が1秒遅れるだけで、止まるまでの距離は約46mに延びます(時速50kmでは1秒で約14m進むため)。

黄ばみで明るさが落ち、照らせる距離が30mしかなかったら——濡れた路面やすり減ったタイヤなら、なおさら危険です。

車検に通らなくなる

レンズの黄ばみが進むと透明度が下がり、ヘッドライトの明るさ(光量)が足りなくなります。国の保安基準に届かなければ、車検に通りません。ディーラーでヘッドライト交換の見積りを取ると、車種によっては数十万円になることもあります。

車が年式以上に古く見える

ヘッドライトは「車の目」。どんなにかっこいい車でも、ヘッドライトが黄ばんでいるだけで古びて見えてしまいます。逆に年式がたった車でも、ヘッドライトがクリアになるだけで、ボディまで輝いて見えるものです。

黄ばみを防ぐには、黄ばんでしまったら

将来は黄ばまないヘッドライトが開発される可能性もありますが、今のところ実現していません。それまでは、この問題とうまく付き合っていく必要があります。

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よくいただくご質問

ヘッドライトが黄ばむいちばんの原因は何ですか?

紫外線です。今のヘッドライトは樹脂(ポリカーボネート)製で、紫外線を吸収して劣化し、黄ばみます。黄ばみの原因の約9割は紫外線といわれています。ほかに、細かいキズの積み重ねや、熱による劣化(加水分解)も原因になります。

ガラス製のヘッドライトも黄ばみますか?

ガラスは紫外線で黄ばむことはありません。黄ばみが問題になるのは、1980年代に登場し1990年代から主流になったポリカーボネート製のヘッドライトです。今の乗用車のほとんどがポリカーボネート製です。

ヘッドライトの内側が曇っています。磨けば取れますか?

内側の曇りや白濁は、外から磨いても取れません。黄ばみ・くすみの多くはレンズの外側なので研磨で取れますが、どちらかは作業前に確認してお伝えします。写真を送っていただければ、事前の簡易診断もできます。

黄ばんだヘッドライトは車検に通りませんか?

黄ばみが進んで明るさ(光量)が国の保安基準に届かないと、車検に通りません。交換すると高額になることもありますが、多くの場合は研磨で黄ばみを取り除けば、交換せずに済みます。